Closed~閉じてる彼ら~
駆け出す。

目指すは屋上。





後ろから、ささらがあたしを呼ぶ声が聞こえた。





あたしは止まらなかった。





その時、あたしの中には何が有ったんだろう。





思考は乱れていた。





論理も無かった。





言葉さえ、無かった。





ただ、駆けた。





天城くんは屋上に居た。





あたしは天城くんが言葉を発する前に、彼に掴み掛かった。


「なんで、ささらを、あの子をふった!あの子は、貴方が好きだったのに、恋をしていたのに!興味が無いだと!ふざけるな!ささらを…」





あたしは天城くんの胸を何度も打った。





「馬鹿にするな!」





その存在を否定する様に何度も。





何度も。


< 101 / 176 >

この作品をシェア

pagetop