Closed~閉じてる彼ら~
学校。


クラスに着くまで、あたし達は無言だった。


あたし達は、一緒のクラス。あたしが彼を知ってたのも、そのせい。


彼は相変わらず、しかめっ面で・無言だった。

けど、不思議と、気まずさは無かった。





クラス。





一人の少女が駆け寄る。


「おはよ、ゆかり。

天城くんとご一緒だったね?」


このコは《水流ささら》。あたしの数少ない友達の一人。


「おはよ、スイリュー。一緒だったから、何よ?」

「私の名前は『スイリュー』じゃなくて『つる』よ。間違えるなら、下の名前で呼んでよ」

「で、何よ。さらさら」

「さ・さ・ら」

「さ・ら・ら」


ささらの名前をいじってたら、担任が入って来た。


「後で、詳しく聞くからね」


言い残して、ささらは席に戻った。


詳しく、ねぇ…。





バーコードの腹と、天城くんの活躍と、あの不思議なトークくらい?



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