Closed~閉じてる彼ら~
放送室。



都築くんはパイプ椅子に身を縮めて座っている。


「縁ちゃん、ささらちゃん」

「はい」

「はーい」





高杉先輩は口の端を上げた。





「よくやったね」

「はぁ!?」


都築くんは素っ頓狂な声を上げた。


「いや、あんた、委員長と水流さんの先輩なんだろ?」

「そうだけど?」

「この人達がやったのはれっきとした拉致だ、犯罪だ!」

「それが、何?」

「なっ…」


いやあ、高杉先輩は話が解る人だ。


「縁。次、いかない?」

「うん。いこう」

「待て、この、犯罪者がぁー!」





都築くんを拉致した後は誰も捕まらなかった。


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