Closed~閉じてる彼ら~
昼休み。


学食でカレー。


あたしは、今朝の出来事を事細かに、ささらに話した。





「…それだけ?」

「悪い?」


ささらは溜息をついた。


「ドラマが無いじゃん」

「は?」

「ドラマ、ドラマよぅ。助けてもらって、恋が芽生えたりしなかった?」


漫画、読みすぎじゃない?


「そんなモン求めないの」

「つまんなーい」


ささらは頬を膨らませた。


「そんなモンよ」





ささらを改めて観察。


すらり、と伸びた手足─

体つきは悩ましい・羨ましい凹凸─

シミの無い白い肌─

寒気のしそうなほどに、整った顔立ち─

それをやわらかく包む、さらさら・ふわふわの茶色がかった腰まで伸びる髪─


…劣等感で潰れそうだよ、あたしは。

なんで、あたしなんかとツルむのかね。

意外と変人?子供っぽいし。





どうでもいいや。

ささらの隣は居心地が良い。

それだけでいいじゃない?


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