Closed~閉じてる彼ら~
その日の帰り、また、あの場所に寄ってみた。





また、子供達の声─

また、無邪気に笑う天城くん─





笑顔はいいんだけどなぁ。

あれが、あたしに向けられてたら、ドラマが有ったかもね。





一人の女の子があたしに気付いた。

前と同じコだ。それ以上の興味は無いけど。


「純にい。あの女の人、また来てるよ」


彼は一瞬、顔をしかめた。

ゆっくりと、こちらを見る。


「…そうだね。ちょっと話して来る」


あ、覚えてくれた?

…え、来るの?





彼は、あたしの前に来る頃には、すっかり、しかめっ面を作っていた。

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