Closed~閉じてる彼ら~
ささらがっ…?


「…あたし、天城くんと話しましたよ」


竜騎さんは指を鳴らした。


「しかも、抱きかかえられた。

あの純が女性と会話をし、身体に触れるなんて。

なんでだろうね?」

「さぁ…」


あたしが知るか。


「あ。もしかしたら純はキミに惚れているのかもね」


…え?

天城くんが、あたしに?


「雲井のお嬢にも惚れなかった純が、か…」


竜騎さんは目を細めて、微笑んだ。





襖が開く。





入って来た天城くんは、お盆を持っていた。


「よう。色男」

「あ。…竜兄さん?

…相良さんに失礼な事、してないでしょうね」


…竜騎さん、信用無いな。


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