Closed~閉じてる彼ら~
インターホンが鳴る。



竜騎さんが部屋を出た。


「…相良さん。アレルギーとか、有る?」


首を振った。


「…じゃあ、本当は不味かった?」


首を振った。


「…口内炎?」





小さく吹き出した。





「…俺は真面目に聞いているんだけど…」





襖が開く。





「お邪魔します。

…こんばんは、縁ちゃん」





高杉先輩が、そこに居た。





高杉先輩は、男性に深々と頭を下げた。


「ウチの部員が、ご迷惑をお掛けした様で、すみません」

「…いいえ。

相良さんをお任せしてもよろしいのですかな?」

「はい。

…さ。縁ちゃん。行くわよ」


手を引かれた。





高杉先輩の手は、とても冷たかった。


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