Closed~閉じてる彼ら~
「相良さん?何か、用?」

「『相良さん?』って?」


『?』って?


「相良さん、だっけ?」

「今朝、助けてくれたじゃん」

「相良さん?」


…あぁ、もう。


「そーだよ」

「何か用?」

「別に、なんとなく」


彼はめんどくさそうに溜息をついた。


「変人」


なっ…。

意外と、失礼なヤツ…。


「用が無いなら、俺は戻る」

「ちょっ、待って!」


あたしの手は、背を向けた彼の服の端を掴んでいた。


あれ。あたし、なんで?


「…もうちょっと、見てていい?」


言葉が勝手に出てた。


「何を?」


何だろ?


「…子供達を」


…かな?


「…通報はされるなよ」


彼は早々と子供達の群に戻って行った。


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