Closed~閉じてる彼ら~
女の子は俯いて、細かく震えた。


「…直接言ったって、どうせ、聞いてくれないし…」

「根拠は?」


高杉先輩の口調って、初めての人にはキツく感じるよね。


その所為か、女の子は涙声で。


「だって、ヨシくんは、わたしの事、きっと、女子だと思ってないし…」

「根拠は?」

「高杉先輩、もうちょっと、優しめな言い方の方が…」


高杉先輩は舌打ちした。


「人を憂うと書いて、優しいと読む。

私は、私の優しさを以て彼女に質問しているの」


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