Closed~閉じてる彼ら~
女の子は、少なくとも表面的には、特に気にした様子も無く、去って行った。


「…結局、放送は使わなかったね」

「高杉先輩、呑気ですね」


高杉先輩は肩を竦めた。


「ええ、縁ちゃん。むしろ、暇よ」

「っつーか、さっきの放送といい、今日はどうしたんだよ、相良?」

「…どうしたんでしょう?」

「なに、それ?」


…ホント、どうしたんだろう、あたし。





軽いノックの音。





「佐橋。開けて」


佐橋先輩が扉を開けると、五人の生徒がいた。


「ご用件は?」

「ウチら、軽音部なんすけど、今度のライブの宣伝とか、させてもらってもいいすかね?」



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