Closed~閉じてる彼ら~
「何よ。『雪割り王子と白雪姫』って?」

「有名な先輩よ?」


ささらは知らないのか、という口調。

「なんでも、去年の夏に事件が有ってね…」

「ふぅん」


ささらは唇を尖らせた。


「興味なさそうね」

「まあね」





「隣、いいかな?」


不意に、柔らかな声。


見ると、『雪割り王子』がトレイを持って立って居た。


「どうぞ」

「ありがとう。雪、ここ、いいって」


『白雪姫』がとことこ歩いて来た。


「ありがとう」


『白雪姫』の声は澄みきっていた。


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