Closed~閉じてる彼ら~
外に出る。

ふらふらと天城くんの方へ。

天城くんが気付く。


「大丈夫か?」


あたしは今、どんな顔をしてるんだろうか。


「天城くん…」

「何?」

「優子さん、好き?」

「ああ。恩人だ」


脱力。


やっぱり、そうなんだ…。


「それが、どうかしたのか?」

「なんでもない…」


踵を返す。

腕を掴まれる。


「なんでもない顔じゃない。何が有った?」


天城くん…。

あたしなんかの事、気にしてくれるんだ…。





ああ。人の恋なんて、こんなもんか…。


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