Closed~閉じてる彼ら~
「…あたしね、優子さんの気持ち、聞いちゃったんだ…」


あたしの腕を掴む手が強張る。


「俺が好きだって…?」

「うん…」


天城くんは眉間に皺を寄せた。


「相良さんが気を落とす事じゃない」

「でも…」

「初めから、相良さんには関係無い事だった」

「でも、関わっちゃった…」

「勝手に関わって、勝手に気を落として、何がしたいんだ?」

「別に…、優子さんが幸せになったらなって思って…」

「俺も優子さんも、今の関係で十分なんだ。

相良さんが望んだものは、ただのエゴだ」


< 47 / 176 >

この作品をシェア

pagetop