Closed~閉じてる彼ら~
あたしは長い間、彼らを見つめていたのだろうか。


一人の女の子があたしに気付いた。


「純にい。あの女の人、純にいに用じゃない?」


彼は、まるで、いい夢から起こされるみたいに、ゆっくりと顔を動かした。





目が合っても、彼は眉一つ動かさずに、また、顔を戻した。


「知らない人だ。俺に用じゃないと思う」


知らない人って。

同じクラスじゃん、ショックだな。他人に興味が無いのかしら。





あたしだって、君に興味は無いけどさ。

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