Closed~閉じてる彼ら~
時計を見る。

昼休みは、あと10分。



天城くん、まだ屋上に居るかな…?

居たら、早口で頼んで、返事は高杉先輩にって言って、ソッコーで逃げよう。

よし。それでいこう。



「委員長~!」


うわ。タイミング最悪。

まあ、《委員長》って呼ばれてる時点で、最悪だけど。


声のした方に振り向く。


居たのは、あたしの知らない男子だった。

幼い顔立ちながら、凛々しくもある。

天城くんとは別のタイプのモテそうな人だ。

《委員長》を知ってるってことは、同じ組かも知れない。


表情筋をフル稼働。微笑を作る。


さぁ、かかってこい。

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