Closed~閉じてる彼ら~
あたしは、反射的に身構えた。


「何…?」


そう応えるのがやっとだった。

…ささらのこんな顔、初めて見た…。

さっきまでとは違った意味で怖い。





「縁。私が…、機材の名前とか、使い方とか、教えてあげる…」





ささらはポケットから手を出した。





その手には、黒いコードが握られていた。


「縁。これはね、マイクケーブルっていって、マイク用の延長コード」

「へぇ…」


なんで、そんな物をポケットに入れて…?


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