ナオ ~キミを愛してた~


そのまま、かけている毛布ごと抱きしめられる。

リュウシンの胸に顔を押し付けられて、少し息が苦しい。

「…ぅ……して、……」



「…えっ…?」


鼻水をすする音
抱きしめられた大きな手に、一滴だけ液体が落ちる。




「…こうして触れているのに……どうして貴女は、オレだけのモノじゃ…ないんだろう……」



何も言えなかった

『体だけ』と言ったのはアタシ
色んな男にそう言って、肌を合わせる。

浮気と同じことしてるよアタシ
だけど罪悪感なんてないの

全部体を合わせれば、そんなの吹き飛んでしまうから。


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