ナオ ~キミを愛してた~




「…中学の頃…彼氏さんと…楽しそうに歩いたとき、オレは一瞬で恋に落ちたんですよ……?貴女の笑顔が、ずっと、オレの心をつかんで離さないんだよっ…」


そっと顔を見上げると、リュウシンは目を隠しながらそっと話を続ける

その間暖かい温もりは、失われることはなくて


「オレは…ただの彼氏さんの部活の後輩でしかなかった…貴女に近付きたくて…何度も、何度も…話しかけようとしたんだ……だけどお前たちには、オレが入る隙なんて…何処にもなかった……」


どんどん感情的になって行くリュウシンの話を聞いてる時、棚のココアをずっと見つめてた


リュウシンは、アタシに似てる
とってもアタシに似てる

好きな人に近付きたくて
でもプライドや周りが邪魔をする

切なくてもどかしすぎて
何度も一人で悩んで、悔やんで、ただ涙だけが落ちていった。



優しい直を見るたびに
胸が安らいだ

悲しい直を想うたびに
胸が苦しんだ

大好きな直を感じるたびに
胸が狂うほど揺らいだ




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