ナオ ~キミを愛してた~
手紙の先
ちょうど直と別れて3か月
季節は秋にさしかかり、だんだん寒くなって来る。そして、知らない内に冬が来ちゃう。
そんな冬も、直と一緒だったら楽しみだったのに、もう今は、あの頃を思い出すだけだから…正直辛い。
アタシはその日、ちょうど出かけてた。
夜の7時過ぎに家に帰ると、香が頭を抱えて、テーブルに肘をついてた。
こんな香、普段はあまり見たことなくて。
側に駆け寄ると、泣いているようだった
「…香?どう…したの?」
「…悪い…読んじまった…お前宛の………手…紙っ」
そう言って手渡されたのは、薄い黄緑のクローバーが書いてある封筒。
鼻をすすって涙をこらえているけれど、テーブルには幾つも溢れた跡があって。
宛先を見た瞬間、心臓が凍り付いたような感覚がアタシを襲う。