ナオ ~キミを愛してた~
『○○市○○☆丁目** △△アパート◇◇ハイツ402 来瀬香那様』
『直高』
住所もいつの間に知ったのか、少しクセのある優しい綺麗な字で、手紙が虚しく送られてきた。
「……香、大丈夫?コーヒー淹れるね」
正直、正気じゃなかった
だって、ずっと会いたかった相手から手紙がくるんだよ?
黙ってなんかいられるわけないじゃん
だけど、あんな弱々しい香を見たら、しっかりしなきゃって思っちゃって
インスタントのコーヒーを作って、香の側にそっと置く
「…悪い」
アタシは着てたジャンバーもそのままで、ゆっくり封筒の中に入っている、2枚の淡く薄いピンクの便箋に目を通した。