ナオ ~キミを愛してた~



ここで手紙は終わってた




最後の文字が震えてて、平仮名ばかりなのは発作が起きたか。
それとも




泣いたかだよね。直




封筒の中をもう一度確認すると、写真が入ってた。アタシと直の笑顔の写真だった。

ああそうだ…
この写真、歩いてる人に録ってもらったやつだよ。良く撮れてるなぁ


アタシはもちろん笑顔だし
直も優しく笑ってくれてる



好きだなって、凄い感じたっけ。



「…だから言ったろ…?直、お前のこと……嫌いで別れたんじゃねえ……って」


涙声の香の言葉が刺さる。
折角忘れようとしてたのに、どうしてこうなの?直


我慢していた涙が溢れ出す。
切なくも苦しくもあり愛しくもあるこの感情は、押し殺す事が出来ない。



何を感じてるか自分でもわからない。ただ直が好き、直に会いたいっていう想いが大きくなるだけなんだ。



< 129 / 142 >

この作品をシェア

pagetop