ナオ ~キミを愛してた~


写真をじっくり見つめる。裏を見ると、黒いマジックでこう書かれてあった。



"体冷やすなよ"

"最近は風邪が多いから気を付けて"

"●★▲-☆△○-◆□▼"

"ナオ


そして小さく




"オレが望むのは"

"お前との、永遠の日々…だよ"

"本当…大好き"




「……クッ……ゥ……ナオォ…」

嗚咽が漏れる。


愛しても愛しても届けられない
どうしようもないんだ、もう。



「……ナオはわかってんだ…全部…、お前がこうなるから別れた……お前のこと好きだから別れた…」


香が椅子を立ち、立ち尽くして泣くアタシをそっと抱きしめる。
大丈夫だから、って頭を撫でながら。


ねえ直

アタシは直のこと"直"って呼んでたつもりだよ?漢字の"直"。

直は、片仮名の"ナオ"って感じてたんだね。アタシ達、ちゃんと愛し合ってたんだね?愛して、愛されてたね。


貴方が、生きててくれれば

アタシもうそれでイイよ



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