ナオ ~キミを愛してた~
ナオ
手紙が来て3か月。
香が電話番号を元に、直の病院場所を調べてくれて、今は香の車で病院へ向かってる。
香の車はノアのシルバー。
何でもお父さんの車だとかで、まだ買って3年くらいだから使ってるみたい。
いつもタバコとコーヒーの匂いがする車内。落ち着くというか、懐かしいというか。
「あの、須藤直高に会いに来たんですけど。」
『須藤直高ですか。……3階の312号室に居りますよ』
受付の看護婦さんは、わざわざ直のところまで案内してくれた
『ここですよ』
「ありがとうございます」
アタシと香はお礼を言って、ドアに手をかける。
緊張して、ドアが開けられない。
無駄にドキドキして手が勝手に震える。
すると香がアタシの手の上に手を乗せて、ゆっくりとドアを開ける。
そこにいたのは、変わり果てた直だった…