ナオ ~キミを愛してた~
















そして、直は

その次の日の夜中の2時過ぎに、アタシ達に永遠の別れを告げた。
17歳だった。

ずっと付き添っていたけど、直はずっとアタシの名前を呼んでくれてた。掠れてて聞こえないくらい、小さい声で。

直は最後まで苦しんだ。
発作と痙攣。
見ていることしか出来ないアタシが、どれだけ無力か感じた。


直が別れを告げた時、アタシは側にいた。手を握って、喋ってたら、いきなりピーって音がして、心臓が止まった。

一度は心臓が戻ったのに、結局亡くなった。直にはもうそんな力は残ってなかったみたい。

目を開けたまま逝った彼の姿を、アタシは二度と忘れることが出来ない。



直の告別式。
直のお母さんから、手紙…とは言えないけど、形だけは手紙。
小さなメモ紙にびっしりと書かれた文字は所々滲んでた。

この手紙は、直が死ぬ1週間前に書いた、最後の遺物。










< 134 / 142 >

この作品をシェア

pagetop