ナオ ~キミを愛してた~


公園でデートしてた

"紅葉見に行かない?"って

直が言ってくれた



「香那」

「ん?何?」


「お前、カレシとかっていたの?」

ズキン

そんな音がアタシの胸でしたような気がする

このことだけは黙ってようと思ってた

このことだけは忘れようと思ってた



なのに
今でもはっきり覚えてるんだ

あの言葉
あのしぐさ
あの匂い
あの感触
あの温もり
あの体温


手を繋いだときのアイツは

とても真っ赤で
可愛いかったっけ


「…那?……おい香那!!」

「…てつ、や…?」

無意識に振り返って
アイツの名を呼ぶ

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