ナオ ~キミを愛してた~


「…テツヤ…?」

「…いや……違うの…」


てつや

くがてつや

九我徹也


名前と漢字が

アタシの頭ん中でリピートされる

大嫌いで
大好きな名前

未練がましい、か…

何故

こんな悲しくて
こんな切なくて
こんな寂しいの

どうしてこんな気持ちになるの


ふと、暖かいものが頬にふれる


指…
優しい、指。

「…な、お……」

「…泣かないで」

いきなり抱きしめられる
優しくて、強い力で

「ごめん…ごめんね直ぉ…ア…アタシ…テツヤのこと…忘れて……」


< 49 / 142 >

この作品をシェア

pagetop