ナオ ~キミを愛してた~


アタシの家の前でテツヤは何をしてるんだろう


もう何も考えたくない

こんなやつ

もう


「…カヤ?大丈夫?」


「…さら……今さら、何の用?」

最初、声が掠れて出なかった


恐怖?
怒り?
わからないけど、どっちかは確か


「学校、遅れちゃうよ?」

「…こっち来んな…」

「いいじゃん?元恋人同士仲良くしよ?」

「触んな…!!」


テツヤはゆっくりとアタシに近付いてきてアタシの背中に触れる

嫌で嫌で振り払おうとするけど

アタシの力じゃテツヤの拘束を取ることは不可能だった。

強く抱きしめられて何も言えなくて


声が出なくて

直以外の人に触れられたくなくて

それなのに感じてる自分が怖くて


心の中で必死で叫んだ

直、直って



開けっぱなしの玄関に連れこまれて

床に押し倒される


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