ナオ ~キミを愛してた~


「っ……」

「香、那っ!!!」

後ろから強く抱きしめられる
テツヤじゃない

好きで
愛しくて
鼻に残る匂い


「…な…お…」

「ごめん、ごめん…俺……」


直の声が震えてた

手も冷たくて
氷みたいで

「…今日、朝俺が迎えに行ってれば…寝坊なんかしなけれゃ、こんなことになってなかった…」


アタシはあの時
パニクって留守電に声を入れた

『抱かれた』

『レイプされた』

って。


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