スキャンダルな贈り物♡
しまった。
逃した。
少しの瞬きの瞬間に、ターゲット・桜田圭斗を見失ってしまったのだ。
『しまった……』
カメラを降ろし、ふうっとため息をつく。
どうしよう。
せっかくここまで来たのにな。
少しの希望を胸に、もう一度アパートの入り口にカメラを構えてみた。
その瞬間。
視界が黒く染まる。
目の前は真っ暗。
急に漂う柔軟剤の匂い。
後ろで感じる気配。
口に何かが当たる。
誰かの手。
口を誰かに覆われているので、リアクションをとる事も話すことも出来ない。
『…』
だ…だれ?