スキャンダルな贈り物♡


ピンポーン。



押したくないインターホン。






そして、奥から聞こえる足音。


しばらくして、紗羽さんが出てきた。





「あら。待ってたわよ」

紗羽さんのいつもの茶髪はどこにもなく、変装して金色のウィッグを被っている。
これも、マスコミからの逃避の一つだ。






俺は無言で、中にはいる。


いつも紗羽さんの身を纏わせるキツイ匂いが、どこかしこに充満していた。








「今日は元気ないわね?」

顔を覗いて紗羽さんが言う。



「いや、そんなことないっす…」

「いいや。元気ないわ。相当、あたしと居れなくて寂しかったんでしょう?今日はタップリ愛してあげる」



ほくそ笑んだ紗羽さんが、俺の首筋にキスをした。

そして軽い、チクッとした痛み。




とっさに俺は、声が漏れる。

「っ」

「あら、感じたの?」


意地悪そうに紗羽さんが覗いてくる。






そして紗羽さんは、首筋から頬、頬から…口へと。

探るように自分の口を動かしていった。




そして俺に、キスをする。

俺はそれを、ただの汚れと思ってしまう。








キスは止まることなく激しくなる。















…………俺、、なにやってんだろ。


こんなん、耐えらんねえよ…





口の中で暴れまわる紗羽さんの舌。

変な嘔吐感。





それでも後方からつきまとう、俺の欲性。








キスのたびにあたる紗羽さんの胸が、だんだん俺の理性を崩そうとする。




あー。あー。あー。
もう。最悪だ。


















ーーーーーーーーーーーーーーードンッ!








俺は性欲のまま、紗羽さんにのしかかる。

紗羽さんの顔には、勝ち誇った笑み。




俺はそれを、誘惑としか思わなくなる。

頭が、、紗羽さんいっぱいになる。
この人に触れたくなる。














だんだん紗羽さんの口に俺の口を近づける。


あと、数センチ…。





あと…すこし……










『圭斗のばかー!いじわる!』


頭の中で、優那が俺にいった。




いつもの、俺が優那にイジワルした時の顔で。


その頭の中の優那は、俺が気づいた頃には、もう消えていた。










その瞬間。


俺の心の中に現れる罪悪感。




いや、正義。恋心。


優那に申しわけないと思う気持ち。





















………………………優那。


ごめん……おれ……なにやってんだ………



本当はお前を一番に…愛したい。




お前を朝まで、愛してたい。


人目を気にさず、誰からも批判されず、俺ららしく、付き合って行きたい。






優那…………優那……












「早くぅ。焦らさないで」


目の前で上目遣いでキスを求めてくる女。







優那…………本当俺…………………だめだわ。

ごめんな、ごめんな、ごめんな。






















俺はそのまま、欲のままに紗羽さんを抱いた。

< 36 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop