スキャンダルな贈り物♡
ピンポーン。
押したくないインターホン。
そして、奥から聞こえる足音。
しばらくして、紗羽さんが出てきた。
「あら。待ってたわよ」
紗羽さんのいつもの茶髪はどこにもなく、変装して金色のウィッグを被っている。
これも、マスコミからの逃避の一つだ。
俺は無言で、中にはいる。
いつも紗羽さんの身を纏わせるキツイ匂いが、どこかしこに充満していた。
「今日は元気ないわね?」
顔を覗いて紗羽さんが言う。
「いや、そんなことないっす…」
「いいや。元気ないわ。相当、あたしと居れなくて寂しかったんでしょう?今日はタップリ愛してあげる」
ほくそ笑んだ紗羽さんが、俺の首筋にキスをした。
そして軽い、チクッとした痛み。
とっさに俺は、声が漏れる。
「っ」
「あら、感じたの?」
意地悪そうに紗羽さんが覗いてくる。
そして紗羽さんは、首筋から頬、頬から…口へと。
探るように自分の口を動かしていった。
そして俺に、キスをする。
俺はそれを、ただの汚れと思ってしまう。
キスは止まることなく激しくなる。
…………俺、、なにやってんだろ。
こんなん、耐えらんねえよ…
口の中で暴れまわる紗羽さんの舌。
変な嘔吐感。
それでも後方からつきまとう、俺の欲性。
キスのたびにあたる紗羽さんの胸が、だんだん俺の理性を崩そうとする。
あー。あー。あー。
もう。最悪だ。
ーーーーーーーーーーーーーーードンッ!
俺は性欲のまま、紗羽さんにのしかかる。
紗羽さんの顔には、勝ち誇った笑み。
俺はそれを、誘惑としか思わなくなる。
頭が、、紗羽さんいっぱいになる。
この人に触れたくなる。
だんだん紗羽さんの口に俺の口を近づける。
あと、数センチ…。
あと…すこし……
『圭斗のばかー!いじわる!』
頭の中で、優那が俺にいった。
いつもの、俺が優那にイジワルした時の顔で。
その頭の中の優那は、俺が気づいた頃には、もう消えていた。
その瞬間。
俺の心の中に現れる罪悪感。
いや、正義。恋心。
優那に申しわけないと思う気持ち。
………………………優那。
ごめん……おれ……なにやってんだ………
本当はお前を一番に…愛したい。
お前を朝まで、愛してたい。
人目を気にさず、誰からも批判されず、俺ららしく、付き合って行きたい。
優那…………優那……
「早くぅ。焦らさないで」
目の前で上目遣いでキスを求めてくる女。
優那…………本当俺…………………だめだわ。
ごめんな、ごめんな、ごめんな。
俺はそのまま、欲のままに紗羽さんを抱いた。