スキャンダルな贈り物♡
『ん…』
ボヤケた視界。
目を覚ますと、フカフカのソファ。
そして、大きなシャンデリア。
そして、私のダイキライな匂い。
「あ、やっと目ぇ覚めたのね」
奥の白いドアから入ってきたヒール音は、私が意識を失う前に聞いた音。
顔を上げると、私を偉そうに見下す安達紗羽だった。
『安達……紗羽…』
近づくたびに匂う私の嫌いな香り。
詳しく言うと………バラとキンモクセイの匂いを強めに混ぜた感じの匂い。
本当に嫌い。
………でもなんだろ。
この匂い、どっかで嗅いだことあるような…
「あたしを馴れ馴れしく呼び捨てで呼ばないでくれる?」
しらけた顔で、私が横たわっていたソファに腰掛ける。
となると、自動で私は体を起こすことになる。
「ん~まぁ、安達紗羽なんて本名じゃないからいいんだけど。ねえ大城、タバコ持ってきて」
安達紗羽は、近くにいた黒いスーツを着た男の人に命令をした。
するとすぐさま、その大城だか言う人は、奥の部屋からタバコを持ってきた。
安達紗羽は、強引にそれを受け取る。
そして、だるそうに先端に火をつけた。
それと同時に、紗羽の周りが煙たくなる。
「どーう?あのテレビでしか見れないような有名人を目の前にした感想は?」
『…』
「口が聞けないのかしら?」
『安達紗羽………あなたの目的は何なんですか…なぜ私をここに?ここはどこ?説明してくださいよ!』
続く会話をとぎらすように、私は安達紗羽に強く当たる。
安達紗羽は、しばらくタバコを吸っていたが、途中で吸うのをやめた。
そして、その吸い殻を、下に敷いてあった高そうな絨毯に向かって投げる。
そして言った。
「いいわよ」
「けどね」
「その代わり圭斗と別れなさい。」