スキャンダルな贈り物♡
しばらくベッドに横たわっていると、上から押し付けられる圧力。
『ちょっ……圭斗っ!』
圭斗は、私の上で股がっていた。
「なーんかさ、俺、お前の事見るとわけわかんねーわ」
さっきのよそよそしさはなく、いつも通りの圭斗だった。
『は!?私にはその言ってる意味のほうがわけわかんない!』
「はいはい。お口が悪いよー優那チャン」
『きもい!』
圭斗の手は、次第に私のブラウスのボタンを外していく。
慣れた手つきで、器用に。
そして、圭斗の顔が私の唇に近づいてくる。
キス………するのかな?
きゅっ、と、目を閉じた瞬間。
「バーーーーーーーーカ(笑)」
圭斗が、私の顔の目の前で、ニヤッと笑った。
『?』
完全に私の頭の中はハテナ。
「ちゅーすると思ったの?(笑)してほしかった?」
『は!?違っ……』
「んじゃあ、何~?さっきの構え顔は」
相変わらず圭斗は、意地悪。
私の心を掻き乱す笑顔で笑うんだ。
どうして゛コレ゛が私のものだけじゃないの?
きっと誰より圭斗を好きなのは私よ。
ねえ圭斗………その、不意打ちはどこで習ったの?
全部………………紗羽さん?
いまの圭斗の大半が、紗羽さんによって出来てるの?
「おーいどーした。泣きそーな顔して。俺に対抗する言葉なくて困ってるんでちゅか~」
またまた意地悪そうな顔で。
圭斗は私の首筋にキスをした。
『ん…』
圭斗のキスはとまらない。
首、耳、頬、おでこ……そして、ゆっくり唇に近づいてくる。
その時。
『ねえ?圭斗…』
雰囲気を割ったのは、私の言葉だった。
「ん?」
圭斗は、キスをやめて顔をあげた。
『その……私にしてくれるキスとか…そのテクニックとか……どこで習ってるの?』
だんだん眼の奥が熱くなる。
『私の知らない圭斗なんか嫌だよ…』
こんな時に言うなんて、完全場崩しだよね。
けど………
抑えられない。
『圭斗のことが好きなの。本当は周りみたいに普通の恋をしたいの。ねえ…圭斗。例えばそれが叶わなくても、せめてこういう時だけは……
私の知らない圭斗なんて、欲しくないよ』
「…」
とまらない。とまらない。
この感情と、溢れる涙が。
とまらない。とまらない。
「全部、、紗羽さん……か。そうだな…俺、全部紗羽さんに教わったよ、なにもかも、全部」
『…』
圭斗が、話し始めた。
「俺の…俺の初めてだって実は紗羽さん。全部ぜーんぶ、俺にとったら紗羽さんだった。思い出せば」
「けどな」
続いて圭斗は話す。
「今俺はお前が好きなんだよ、仕事んときでもなんでも。優那のことばっかり考えて上っ面で」
「だからさ……そんな泣くな。前言ったじゃん、お前の涙見てると理性ぶっ飛ぶって」
そう言って、とどめのキス。
圭斗は優しく、私にキスをした。
涙がとまらない。
なんでだろう。
切ないの。
『……ふっ…』
部屋に、溢れる吐息が広がる。
その涙も、いつか嬉し涙に変わる。
だって……………
「すき。すきだ。すきだよ、優那」
あまりにも切ない声で、大事に私を呼ぶ圭斗の声を聞いたから。