スキャンダルな贈り物♡
「昨日の優那、良かったわーーー」
『だーかーら、その言い方やめて!思い出すでしょ!』
次の日の朝。
圭斗の家のベッドの上で、笑いながら話す。
朝って言っても、朝日の差し込まない暗めの部屋。
カーテンを開けられないから。
『カーテン開けたいよー』
ぶつぶつと私は言う。
が、
「お前みたいなマスコミ会社にお前の体晒されてもいいなら開けてもいいぞー」
なーんて。
そう言って、圭斗はクスリと笑った。
『はぁ?』
むかついた私は、圭斗の上にのしかかって、思い切り叩いてやる。
あれから、圭斗は、大事そうに抱いてくれた。
何度も、何度も。壊れるくらい。
二人で愛を、探りあった。
「昨日は痛くなかったか?」
お腹を抱えて笑う私に、とっさにかけてくれた優しさ。
『うん、おかげさまで。』
笑いを収めて、少し冷静に言った。
すると、調子に乗った圭斗が、俺うまいからなーなんて言い出す。
そしてまた、馬鹿にしあって笑う。
その繰り返し。
それが、本当にくだらなくて、そして楽しかった。
………それも、ある音で一瞬に冷めたけど。
急に、鳴り出したの。
ーーーーーーーーーーーーーープルルルルルル。
携帯の着信音が。
『私……ではないな。てことは…』
バックの中の携帯を確認してから、ポツリとつぶやく。
振り向いた瞬間、私に背を向ける圭斗。
圭斗が、電話に出る。
それと同時に、着信音が止まった。
「もしもし?」
《あーもしもし?圭斗?》
電話音が大きいから、電話の向こうが誰かはすぐに分かった。
「こんな時間になんですか、紗羽さん」
………紗羽さん。
私は何も言えなくなる。
すると……
《あーんたそんな女と寝てないで早く来なさいよ》
電話の向こうの声がドスッと低くなる。
「あ……紗羽さん。何言って…」
《見え見えなのよ。全部》
圭斗と電話の紗羽さんの会話を耳にする。
………え?
見え見え…………?
『!』
まさか!!
そう思って私はベッドから飛び出す。
私が向かう先は窓。
それに気づいた圭斗が、慌てて私を止める。
「馬鹿!やめろ!優那!」
私はそんな声なんてもう聞こえてなかった。
聞いてなかった。
勢い良くカーテンを開ける。
その瞬間ーーー
一階からコチラを見据える、紗羽さん。
『安達…紗羽……』
私は動揺で固まってしまう。
ニヤリと笑った紗羽さんは、右手に持っていたカメラをこちらに向けて、人差し指を動かした。
その瞬間だった。
ーーーーーーーーーーーーーーカシャ。
シャッター音が、私に向かって音になった。