スキャンダルな贈り物♡
「ついたよ」
「おい」
「起き……おはよ。」
目の前には私を覗きこむ和真さん。
私は睡魔と涙で分けわかんなくなる。
『ん……』
もともと寝起きって、こんなタイプなんだよね。
「なあ」
急に、和真さんが言った。
「俺のことこれから、和真って呼べよ」
『か…ずま?』
「そう。えらいえらい」
そう言って、和真は私の頭を撫でてくれた。
優しく、優しく。
私はその温度にトロンとする。
「な?」
またまた、和真が続いた。
『ん?』
とろとろした記憶で、私は朦朧と答える。
「優那ん家入っていい?………慰めてあげるから、さ」
いつの間にか、和真は私を優那と呼んだ。
今、本当に誰かに慰めて欲しかった。
今はあの圭斗の余韻を消したい。それだけ。
心も体も。
私はコクリと頷いた。
すると、頬に微かなキス。
「ありがと」
静かに、タクシーのドアが開いた。