スキャンダルな贈り物♡
とろとろした目で、鍵を開ける。
隣には、ドライバーの制服の和真さん。
……じゃなくて。
和真。
ーーーーーーーーーーーーーーガチャン。
鍵が回る。
私は左足から、自分の家に足を入れる。
それに続くように和真もついてくる。
「おー!なんかいいにおーい」
私の玄関にある芳香剤に興味を示す和真。
「なんのにおーい?」
『石鹸だよ』
「おー。俺好きだわ、こういうにおい」
玄関を超えて、奥の部屋のリビングへ向かう。
一日帰ってきてない部屋は、11月後半の空気だけではとてつもなく寒かった。
テーブルにぶん投げてあったエアコンのリモコンを押す。
ボワーっと、徐々に温かい風が来る。
私はコートを脱いで、和真に言った。
『てきとうに座ってて。今コーヒー入れるから』
返事はもちろんない。
私はそそくさと、お湯を沸かす。
下の引き出しにある砂糖をとろうと、下を向くと…
「ねえ」
上からくる、低い声。
私は後ろから、和真にギューされてた。
急な状況に、私は混乱してしまう。
『…な、なっにっ』
「緊張してやんの。かーわいっ」
『う…うっさ……』
「お風呂……入ってきていい?」
『えっ……なん…』
なんで?と言おうとしたところで、和真に口を抑えられた。
『っ』
「お前を……知りたいから」
そっけなく言ったその一言に、すごく大きな意味が隠れていた。