女神の落としモノ
そもそも!
私はこの学校へ入る気はさらさら無かった。
ただ、うちはお母さんが病弱で、度々入院していた。お父さんは頑張って働いてるけど、やっぱり生活が辛い。
奨学金が出るこの高校に入ったのも、少しでも家族に負担をかけたくなかったから。
他に、莫大な奨学金を出してくれる高校は無かったし……
「伊藤さん、今から懺悔に行きなさい」
「えぇぇぇ!!!」
それは無いよ~!!
美咲とどっか行きたかったのにぃぃぃっ!!
懺悔は教会で一時間神に許しを乞う事で、言わば素行の悪い学生が、廊下で立たされているようなものだ。
「行きなさい」
「はーい………」
面倒くさいなぁ………
私、これで懺悔何回目だっけ?
というか、懺悔常習犯の私を、神様だってさすがに呆れてると思うんだよね。
だから、許しを乞ってたらきりがないし、神様にもお手数かけて申し訳ないわ!
人は、過ちを犯すモノなのです。by.るな
「るな…………」
美咲が心配そうに私を見る。
だ・い・じょ・う・ぶ!
口パクでそう伝えて、私は教会へと向かった。