女神の落としモノ
「あー!!わったよ、選べばいいんだろ!」
シドはズンズンと大股で歩いていき、むんずと白いワンピースのような服を選び、私に押し付けてくる。
「白」
「へっ?」
白!?
突然それだけ告げるシドに私は首を傾げる。
「お前が言ったんだろーが。似合う色」
「あ!白が似合うって事!?初めて言われたなぁー。ありがとう、シド!」
私はワンピースを抱き締めて笑う。
なんか、誰かに選んでもらったものって、嬉しいな。
特別な感情がなくても、私の事を考えて選んでくれたモノだもん。
それから、私は白のワンピースに着替えて店を出た。
シドと買い出しして、船へと戻ったのは夕方だった。
「お疲れさま、るな。新しい服買ってもらったんだ?」
すぐにイオンが私に駆け寄ってくる。
シドは他の船員に指示を出しているのか、遠くにいる。
「イオン、服を買い物リストに入れてくれてありがとう!この服じゃ目立っちゃって!」
「うん?俺、買い物表にるなの服の事は書いてないよ?あれは、食材と薬草の買い出し表だからね。あ、そういう事か…」
不思議そうにしていたイオンは、突然何かに気づいたようにニヤリと笑った。
え、何なの!?
リストにないなら、シドが言った事は嘘!?