女神の落としモノ
「まったく、俺のせいにして…。恥ずかしがりやさんだと思わない?るな」
「あ、え!?あれ、照れ隠しだったの!?」
わかりづらい!!
そんな嘘、つかなくてもいいのに!
「誉められ慣れてないんだよ、シドは」
「イオン……?」
そう言って遠くを見るイオンに私は声をかける。
イオン、どうしたんだろう。
急に表情が暗くなった気がしたんだけど……
「るな、宿をとってあるんだ、行こうよ!」
イオンはさっきの暗い顔を一変して、笑顔で私の手を引く。
私の、気のせい?
でも、今聞いても、イオンは教えてくれない気がする……
「うん、ついでにシドも引っ張ってこよー!」
「ははっ!ついでなんだ?りょーかい♪」
私もその事に触れないように話をそらした。
そして、シドを連れて(無理やり引きずって)宿へと向かうのだった。