女神の落としモノ



「まったく、俺のせいにして…。恥ずかしがりやさんだと思わない?るな」

「あ、え!?あれ、照れ隠しだったの!?」


わかりづらい!!
そんな嘘、つかなくてもいいのに!


「誉められ慣れてないんだよ、シドは」

「イオン……?」


そう言って遠くを見るイオンに私は声をかける。



イオン、どうしたんだろう。
急に表情が暗くなった気がしたんだけど……


「るな、宿をとってあるんだ、行こうよ!」



イオンはさっきの暗い顔を一変して、笑顔で私の手を引く。



私の、気のせい?
でも、今聞いても、イオンは教えてくれない気がする……


「うん、ついでにシドも引っ張ってこよー!」

「ははっ!ついでなんだ?りょーかい♪」



私もその事に触れないように話をそらした。
そして、シドを連れて(無理やり引きずって)宿へと向かうのだった。











< 26 / 64 >

この作品をシェア

pagetop