女神の落としモノ
ーフワッ
宝剣は形を失い、一つの光る羽へと姿を変える。
青い羽は宙を漂い、私の前で淡く輝いていた。
「るな………」
「綺麗な歌声だ………」
シドやベル、周りの人間達がその歌声に圧倒していた。
それに気付く事なく、私は歌い続ける。
「♪♪♪~」
帰ろう、故郷を離れるのって寂しいよね?
私も、その気持ちすごく分かるから……
ーあなたの願いはいいの?
私の心に、羽が語りかけてくる。
羽には、意思があるんだ……
「♪♪♪~」
私の願い……?
ー家族の絆
家族の……絆…………
そうだ、私はベル達に幸せになってほしい。
それに、シドとベル、私の大切な人達が争うのは見たくない。
ー私は、家族の愛を司る力
ー叶えましょう、純潔の乙女
ーパァァァァッ!!
「な、なんだ!?」
「光りが!!」
なにこれ!!眩しいっ!!
羽は輝きを増し、私達を優しく包み込む。