女神の落としモノ


『それが、あなたよ、伊藤 るな。あたなこそ、私の探し続けた純潔の乙女』


「え………?」



否定しようとして口をつぐんだ。
女神様が何故か、私を愛しそうに見るから……




『るな、私の選んだ純潔の乙女よ、あなたにお願いがあるの』

「お願い?わ、私に出来る事なの?」



女神様のお願いだなんて、私みたいな平凡な高校生に叶えられるの!?



『るなにしか出来ない事よ』

「私にしか………?一体何をすればいいの?」


『私の翼を見て、片方しかないでしょう?』


あ、確かに…………
それが、お願いと何か関係があるの?



『私の片翼は、ある世界の何処かへと散らばってしまったの』


「散らばった!?それまた何で!」

『それは、全ての羽を集め、翼を手に入れた時に分かるわ。だからるな、私の翼を探して』



え、何?そのゲーム的なノリは!!
クリア後に真実分かるシステムなの!?


「女神様は……翼が無いと困っちゃうの?」

『えぇ、翼は私の一部。翼が無ければ、私は力を失い、消えてしまうわ』

「消える!?そんなの………」



そんなの、悲しすぎる!!
なんでこうなったのか、私にはわからないけど………



「女神様、私に任せなよ!」


『るな………?』


笑いかけると、女神様は不思議そうに私を見つめる。


「私が、探してきてあげる!絶対に消させなんてしないから!」


消えていい人なんていない。
それが、女神様であっても!!











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