女神の落としモノ
「行くぞ、ここにいたら海兵に捕まる」
「シド!」
シド、私の事、助けてくれるんだ………
そっか、私……迎えに来てくれる人がいたんだ…
一人ぼっちになったと思ってた。
寂しくて怖かった………
「うん!」
私はシドに抱きつく。
あったかい………この人の傍が一番安心できる。
なんでかな、この世界で一番最初に出会ったのがシドだったから………?
「るな!!どこかへ行ってしまうのかい?」
背後から、ベルが声をかけてくる。
不安そうなベルに、私は笑いかけた。
「私は、立ち止まれないから!やるべき事があるの!ベル、ありがとう!ベルは私の大切な友達だよ!またね!」
「飛ぶぞ!」
ービュンッ!!
ワイヤーのようなものが窓の外へと飛び、私達の体はそれに引っ張られるように外へと飛び出した。
「……………るな……」
消えたるなの姿を探すように、目線は窓に向けたままのベルは、苦笑いを浮かべる。
………友達……か…。
私は、君とは違った関係を望んでたよ。
「私の天使………。出来るなら、私に君を守らせてほしかった。また、会えるのかな………」
私の愛した天使、私はまた君に会いたい。
るな………
ベルは、飽きることなく窓を見つめたまま、動く事が出来なかったのだった。