女神の落としモノ



「アルハジャールの城下町はキャラバンから仕入れた品物のバザールが開かれてるんだ」


町に入ってからキョロキョロと興味津々に見渡す私に、船員の一人が話しかけてくる。


「キャラバン?バザール?」


聞いた事のない言葉だ。
なんの事だろう、お店……の事だとは思うけど。


「キャラバンは商人、バザールは店の事だ。だから、お目にかかれない貴重なお宝に巡り会えるかもしれないのさ」

「へぇ!国で全然雰囲気が、違うんだね!」


アルハジャールの民は、この照りつける太陽のせいか、浅黒い肌を持ち、露出の多い薄着の人達が多い。




「シド、少し見て行こうよ!」

「お前、人の話を聞いてたのか!?これから、作戦練って準備をすんだよ!いいから、来い」

「ぐえっ!」


シドは容赦なく私の首根っこを掴み、宿場へと引きずっていく。


あーあ、もう少し見ていきたかったな。
見たことのないモノ、見たことのない人たち、生き物、世界………



好奇心が押さえられない。
うん、後で絶対に自由時間をもらおう!!















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