Sugar&Milk
中に入ると「朱里さんは座って」とテーブルの前に促す。冷蔵庫から飲み物を出す後姿を眺めて微笑ましく思う。
もしこの子と一緒に住んだらどんな感じなのかな……。
ついそんな想像をしてしまう。
「朱里さんから来たいって言ってくれて嬉しい」
テーブルに缶チューハイを置くと瑛太くんは私の隣に座る。
「なんか急に会いたくなっちゃって……」
「今日の朱里さん、雰囲気違うね」
「え? どんな風に違う?」
「なんだか落ち込んでる?」
「えっと……」
言うべきか迷った。瑛太くんはあの子が自分のことを好きだと気づいているのだろうか……?
聞きたい。でもそれを言ったところで、瑛太くんがその子のことを意識し始めてしまうのも嫌だった。
「大丈夫?」
私の顔のすぐ近くまで瑛太くんの顔が近づく。心配してくれる優しさが嬉しくて甘えたくなった。瑛太くんの首に腕を回すと自分から顔を近づけキスをした。角度を変え、何度も唇を合わせた。
「ちょっ……朱里さん?」
私の勢いに瑛太くんが動揺したのが分かった。
「どうしたの? やっぱ今日変だよ」
「甘えちゃ……だめかな?」
慣れない上目使いで見つめた。それをどう思ったかは分からないが、フッと瑛太くんが笑う。
「だめじゃないよ」
私の頭の後ろに手を回して顔を引き寄せ優しいキスを繰り返す。
「疲れてる朱里さんを癒してあげます」
この言葉に笑ってしまう。私よりも年下で、学生で、決して甘えていい立場じゃないのに瑛太くんには自然と甘えられる。
「うん……お願いします」
私はゆっくり目を閉じた。服を脱がされ、体を這う手の動きに完全に身を任せた。
「今度は朱里さんの家に行きたいなー」
「いいよ、冬休みに来て」
ベッドの中で腕枕をされると安心する。
「年越しも朱里さんとしたい」
「実家に帰らないの?」