猫、いつとったら良いですか

大きな猫






ニートが仕事に関する一切から離れたい。そういう意味なのだと仮に解釈してみる。
では、私は――現実に関する一切から離れたい。"現実ニート"という言葉を勝手に作ろう。


家族が嫌。仕事が嫌。友達が嫌。人間関係が嫌。――そんな自分が嫌。
スーパーのおばちゃん。近所のおじさん。家の周りに住み着く野良猫。全てに毒を吐きたくなる。


嫌なことがあれば何にも構わずに凹み、当り散らすのはあたりまえ。
だが、こんな自分にも春らしいものはくるもので――


「好きです」


告白された、らしい。『らしい』というのも私には仕方ない。何故なら現実感が全くないから。


「好きなんです」


同じ人に2回告白された。
何と言って振ったかは覚えてないが、振った。

現実ニートの私に何故告白を?と誰もが思うだろう。


その理由。


それは私は人一倍大きな猫を被っているからだ。


現実から一目散に逃げたい"現実ニート"の私、大居 怜(りょう)25歳である。






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