ハイカロリーラヴァーズ
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「……そう。辞めるのか。寂しくなっちゃう」
「校長に言いに行く前に、リエちゃんには話そうと思って。ごめんね。早く来て貰って」
「ううん。ありがとう」
朝早くからやっているカフェに、リエちゃんとふたり、お茶してる。
話したいことがあるからと、無理言って出勤前の時間を貰った。少し早めに出勤しようと思っている。他の職員に会いたくないからだ。
駅東口のカフェ。朝食を食べている人や、出勤前に一息入れている人、様々。学生の姿もちらほら。勉強しているのかな。
「仲の良い生徒にちょっと聞かれることもあるんだけど、あたしなにも知らないから、喋ってないし」
「ごめんね、迷惑かけて」
「あ、別に迷惑だと思ってないよ。卑怯な松河を殴った青司くんに拍手だわ」
「全然良くないことだけどね……」
今回の騒動の原因も話した。びっくりしていたけれど、真剣に聞いて「松河クソだしクズ」って青司と同じことを言っていた。
「彼氏と別れて、青司くんと付き合ってるの?」
「うん。まぁそうなるね」
「ふうん。まあ深くは聞かないけど」
あたしは時計を見た。そろそろリエちゃんと別れなくちゃいけない。もうちょっとお喋りしていたけれど、そうも行かない。
今日は朝から、温い雨が降っている。
「傘忘れないように」
「うん。リエちゃんも」
傘を持って、カフェを出る。
続々と駅から人が出てくる。出勤ラッシュだ。あたしは、今日で終わるけれど。仕事をしているから「仕事サボって昼寝したい」なんて思うんだろうね。
「あー仕事行きたくねー! 華ちゃん居ないからつまんないよ」
絶妙なタイミングでリエちゃんが言うもんだから、笑ってしまった。