ハイカロリーラヴァーズ
低い声にぞくりとする。青司の声はとても良い声。整った顔にその声は出来過ぎているから、目隠しがちょうど良い。ぎゅっと、帯が後頭部で絞められる。少し……痛い。
「死ねばいいのに」
躊躇無くそんな言葉を口にする青司の目は、温度の無い色をしていた。
死ねばいいのに。そうかもしれない。でも、あたしには源也が必要で……乱暴にされても、それでも好きだとかじゃなくて、そうなる前の源也と、今の源也は違う人物じゃないから。
「死ねばいいとか、言わないで」
変わってしまったのに。源也とあたし。なんだか重ならない。分かってるけど、でも、源也から離れられない。
「だって最低だろ女殴るとか」
「殴られてない」
「蹴られてんだろ。別れちゃえば良いのに。そんな男」
「青司」
あたしの上に青司の体重がかけられていた。喋らないで欲しいのに。声で、あたしを抱いているのが源也じゃなくなる。
少し背中がひんやりとした。別れろよ、青司がそんなことを言うなんて、思っていなかった。それってギリギリだよ。やめてよ、言わないのがルールでしょう。
あたしが尻軽で、セフレで、彼氏が暴力的で、それでも青司に害は無い。面倒になったら別れれば良いんだから。あたし達は割り切った関係なんだから。
別れて俺と。青司がそんな風に言ったら、会うのをやめようと思っていた。でも青司は言わない。あたしも、青司がそんなことを言わないのを分かってる。だって、面倒が嫌いだから。
逆に、あたしが青司を好きになってしまったら……。
そこまで考えて、急に挿入されて声が出る。首を通って脳天まで快感が走っていった。暗い快感。まるで深海にでも居るみたいな。
「なぁ」
「喋らな……いで」
「相変わらずだねぇ。俺は彼氏の代わり、だからな」
言葉の句切りと貫く衝撃。いいから、喋らないで。その声を出さないで。目を塞いだあたしを抱いていて欲しい。源也と違い過ぎるその声。
「死ねばいいのに」
躊躇無くそんな言葉を口にする青司の目は、温度の無い色をしていた。
死ねばいいのに。そうかもしれない。でも、あたしには源也が必要で……乱暴にされても、それでも好きだとかじゃなくて、そうなる前の源也と、今の源也は違う人物じゃないから。
「死ねばいいとか、言わないで」
変わってしまったのに。源也とあたし。なんだか重ならない。分かってるけど、でも、源也から離れられない。
「だって最低だろ女殴るとか」
「殴られてない」
「蹴られてんだろ。別れちゃえば良いのに。そんな男」
「青司」
あたしの上に青司の体重がかけられていた。喋らないで欲しいのに。声で、あたしを抱いているのが源也じゃなくなる。
少し背中がひんやりとした。別れろよ、青司がそんなことを言うなんて、思っていなかった。それってギリギリだよ。やめてよ、言わないのがルールでしょう。
あたしが尻軽で、セフレで、彼氏が暴力的で、それでも青司に害は無い。面倒になったら別れれば良いんだから。あたし達は割り切った関係なんだから。
別れて俺と。青司がそんな風に言ったら、会うのをやめようと思っていた。でも青司は言わない。あたしも、青司がそんなことを言わないのを分かってる。だって、面倒が嫌いだから。
逆に、あたしが青司を好きになってしまったら……。
そこまで考えて、急に挿入されて声が出る。首を通って脳天まで快感が走っていった。暗い快感。まるで深海にでも居るみたいな。
「なぁ」
「喋らな……いで」
「相変わらずだねぇ。俺は彼氏の代わり、だからな」
言葉の句切りと貫く衝撃。いいから、喋らないで。その声を出さないで。目を塞いだあたしを抱いていて欲しい。源也と違い過ぎるその声。