ハイカロリーラヴァーズ
「華ちゃん、彼氏と結婚するの?」
ずいぶんいきなり聞くなぁ。リエちゃんとご飯する時、たまにこういう話をするんだけど。リエちゃんは、高校時代から交際していた彼と20歳の時に結婚している。早くお嫁に行ったんだ。いま24歳。子供はまだ居ない。あたしと源也が暮らした4年と、結婚してリエちゃんがご主人と暮らした4年。長さは同じなのに中身は違うんだろうな。
「結婚ね、どうだろう」
蕎麦屋のおかみさんが「いつもどうもね」と言って注文を取っていってくれた。カツ丼とワカメうどん。事務員の制服姿で、向き合って2人。いつもこんな感じだ。おかみさんは、あたし達が予備校で働いていることを知ってる。講師や生徒も食べに来るからだ。だからリーズナブルで量が多めなんだろうな。
「どうだろうって? してもおかしくないと思うけど」
「分かんない。そういう話、しないから」
あたしからも、源也からも、そういう話をしないもの。
今、少し暴力的な源也。優しい人だということは知っている。分かっているから一緒に居るんだし。分からない。手をあげられたら、それがたった1度だったとしても別れる人達だって居る。リエちゃんに話したら、きっと「別れろ」って言われるんだろうな。なんでそんなのと一緒に居るんだって。
どうだろう、そう言ったのは、なんだかあたしと源也の未来は白か黒かで言ったら黒っぽいなと思ったから。リエちゃんは「源也とはどうだろう」って受け取ったみたい。言葉って難しいと思いながら、面倒なので訂正しない。お腹が空いている。
「源也、あたしと結婚しようと思ってないよ、たぶん」
「結婚の話したこと無いのに? そう思うの? 華ちゃんは彼としたくないの?」
リエちゃんの語尾にハテナマークが付きっぱなしだから、少し疲れる会話だ。質問攻めは得意じゃない。
「あたしだけしたいと思っててもね、1人じゃできないし。いま結婚の話が出ないなら、もっと先かもしれないし、無いかもしれない」
後者の方が強い。あたしはそう感じている。
ずいぶんいきなり聞くなぁ。リエちゃんとご飯する時、たまにこういう話をするんだけど。リエちゃんは、高校時代から交際していた彼と20歳の時に結婚している。早くお嫁に行ったんだ。いま24歳。子供はまだ居ない。あたしと源也が暮らした4年と、結婚してリエちゃんがご主人と暮らした4年。長さは同じなのに中身は違うんだろうな。
「結婚ね、どうだろう」
蕎麦屋のおかみさんが「いつもどうもね」と言って注文を取っていってくれた。カツ丼とワカメうどん。事務員の制服姿で、向き合って2人。いつもこんな感じだ。おかみさんは、あたし達が予備校で働いていることを知ってる。講師や生徒も食べに来るからだ。だからリーズナブルで量が多めなんだろうな。
「どうだろうって? してもおかしくないと思うけど」
「分かんない。そういう話、しないから」
あたしからも、源也からも、そういう話をしないもの。
今、少し暴力的な源也。優しい人だということは知っている。分かっているから一緒に居るんだし。分からない。手をあげられたら、それがたった1度だったとしても別れる人達だって居る。リエちゃんに話したら、きっと「別れろ」って言われるんだろうな。なんでそんなのと一緒に居るんだって。
どうだろう、そう言ったのは、なんだかあたしと源也の未来は白か黒かで言ったら黒っぽいなと思ったから。リエちゃんは「源也とはどうだろう」って受け取ったみたい。言葉って難しいと思いながら、面倒なので訂正しない。お腹が空いている。
「源也、あたしと結婚しようと思ってないよ、たぶん」
「結婚の話したこと無いのに? そう思うの? 華ちゃんは彼としたくないの?」
リエちゃんの語尾にハテナマークが付きっぱなしだから、少し疲れる会話だ。質問攻めは得意じゃない。
「あたしだけしたいと思っててもね、1人じゃできないし。いま結婚の話が出ないなら、もっと先かもしれないし、無いかもしれない」
後者の方が強い。あたしはそう感じている。