東雲沙紀の恋の事件簿―見合い編―
2
「お見合い?!」
「そっ。部長に頼まれてさ。東雲君、俺をたてるために頼む!」
「お断りします」
生活安全課の課長から会議室に呼びたされたと思ったら、見合い話ときた。
「私なんかより、可愛い婦警もいるじゃないですか」
自分で言うとへこんでくるけど、私なんかより年下で可愛い婦警たちは大勢いる。
「会うだけでもいいからさ」
「お断りしますと言いましたけど」
「いや…、日取りも決まってるから会ってくれなきゃ困る」
「事後報告ですか?」
思わず大きい声を出しちゃったけど、勝手にお見合いの話が進んでいるのに驚く。
「東雲君、他に好きな人いるの?」
「……」
私は、課長の言葉に黙秘をする。
(南山が好きなんです、と言えたらどんなに楽か)
「とにかく!日取りは決まってるし、週末の土曜日にウエストパークホテルにね!」
「課長、待って下さい!もう……」
課長はそそくさと会議室を出ていき、1人残った私は思いっきりため息を吐いて、会議室を出た。
「おー、東雲。見合いすんのか」
「遂に東雲も収まるときがきたかー」
私に見合いの話が出て、2日後。
廊下を歩いてると、署内の警察官たちから次々に声をかけられる。
B警察署は狭い建物だから、あっという間に話は広がるため、あまり目立たないように過ごしてたのに、今は私の見合い話で持ちきりだ。
南山もきっとこの話を聞いてると思うけど、私が見合いするのをどう思うかなんて聞ける立場でもない。
色々と考えていたら疲れたので、屋上で気分転換でもしよう。
丁度、お昼になるし。
私は母親が作ってくれたお弁当を手に、屋上へ向かった。
「そっ。部長に頼まれてさ。東雲君、俺をたてるために頼む!」
「お断りします」
生活安全課の課長から会議室に呼びたされたと思ったら、見合い話ときた。
「私なんかより、可愛い婦警もいるじゃないですか」
自分で言うとへこんでくるけど、私なんかより年下で可愛い婦警たちは大勢いる。
「会うだけでもいいからさ」
「お断りしますと言いましたけど」
「いや…、日取りも決まってるから会ってくれなきゃ困る」
「事後報告ですか?」
思わず大きい声を出しちゃったけど、勝手にお見合いの話が進んでいるのに驚く。
「東雲君、他に好きな人いるの?」
「……」
私は、課長の言葉に黙秘をする。
(南山が好きなんです、と言えたらどんなに楽か)
「とにかく!日取りは決まってるし、週末の土曜日にウエストパークホテルにね!」
「課長、待って下さい!もう……」
課長はそそくさと会議室を出ていき、1人残った私は思いっきりため息を吐いて、会議室を出た。
「おー、東雲。見合いすんのか」
「遂に東雲も収まるときがきたかー」
私に見合いの話が出て、2日後。
廊下を歩いてると、署内の警察官たちから次々に声をかけられる。
B警察署は狭い建物だから、あっという間に話は広がるため、あまり目立たないように過ごしてたのに、今は私の見合い話で持ちきりだ。
南山もきっとこの話を聞いてると思うけど、私が見合いするのをどう思うかなんて聞ける立場でもない。
色々と考えていたら疲れたので、屋上で気分転換でもしよう。
丁度、お昼になるし。
私は母親が作ってくれたお弁当を手に、屋上へ向かった。