東雲沙紀の恋の事件簿―見合い編―
3
私は屋上に行き、ベンチに座ってお弁当を食べる。
天気もいいし、風も心地よくて、屋上にきて正解だ。
「隣、いい?」
「南山?!」
「座るぞ」
「え、ちょっと…」
南山は私の返事を聞かず、空いてるスペースに座った。
手には缶コーヒーに、パンが1つ。
「ちゃんと食べないと、体がもたないわよ」
「生活安全課と違って、刑事は忙しいんだよ」
「そーですか」
「そーですよ」
久しぶりに南山と話せたというのに、結局言い合いになる。
「……」
「……」
南山はパンと缶コーヒーを交互に口に入れ、私もお弁当を食べる。
「お前さ、見合いすんの?」
「課長のお願いだもん」
(やっぱり南山も知ってるんだ、お見合いすること)
「まぁ、いいんじゃない?俺たちもいい年齢だし」
「えっ…?」
私は南山の言葉に、物凄くショックを受ける。
(いいんじゃない?って、南山は私のことは何とも思ってないんだ…)
私の勝手な片想いだけど、その相手からの言葉は何よりも悲しくて、辛い。
「俺も近い内に見合いすんだ」
「南山も?」
「部長がうるさくてしょうがないから、とりあえず会って断るつもり」
「そう…、なんだ」
南山がいいんじゃないって言ったのは、こういうことなんだ。
(伝えてないのに、失恋…、か)
「俺、中に戻るわ」
「うん…」
「式、良かったらスピーチしてやるよ」
「じゃあ私もあんたの時は、嫌味をたーぷり言うわ」
「その倍に言ってやるよ」
南山は鼻で笑い、屋上を立ち去った。
私は目を閉じて、鼻を何度もすする。
頬には涙がつたい、声を必死に我慢する。
南山が言うようにいい年齢だし、そろそろ気持ちにけじめをつけなきゃ。
お見合いして、きちんと断って、警察辞めよう―…。
天気もいいし、風も心地よくて、屋上にきて正解だ。
「隣、いい?」
「南山?!」
「座るぞ」
「え、ちょっと…」
南山は私の返事を聞かず、空いてるスペースに座った。
手には缶コーヒーに、パンが1つ。
「ちゃんと食べないと、体がもたないわよ」
「生活安全課と違って、刑事は忙しいんだよ」
「そーですか」
「そーですよ」
久しぶりに南山と話せたというのに、結局言い合いになる。
「……」
「……」
南山はパンと缶コーヒーを交互に口に入れ、私もお弁当を食べる。
「お前さ、見合いすんの?」
「課長のお願いだもん」
(やっぱり南山も知ってるんだ、お見合いすること)
「まぁ、いいんじゃない?俺たちもいい年齢だし」
「えっ…?」
私は南山の言葉に、物凄くショックを受ける。
(いいんじゃない?って、南山は私のことは何とも思ってないんだ…)
私の勝手な片想いだけど、その相手からの言葉は何よりも悲しくて、辛い。
「俺も近い内に見合いすんだ」
「南山も?」
「部長がうるさくてしょうがないから、とりあえず会って断るつもり」
「そう…、なんだ」
南山がいいんじゃないって言ったのは、こういうことなんだ。
(伝えてないのに、失恋…、か)
「俺、中に戻るわ」
「うん…」
「式、良かったらスピーチしてやるよ」
「じゃあ私もあんたの時は、嫌味をたーぷり言うわ」
「その倍に言ってやるよ」
南山は鼻で笑い、屋上を立ち去った。
私は目を閉じて、鼻を何度もすする。
頬には涙がつたい、声を必死に我慢する。
南山が言うようにいい年齢だし、そろそろ気持ちにけじめをつけなきゃ。
お見合いして、きちんと断って、警察辞めよう―…。