東雲沙紀の恋の事件簿―見合い編―
5
「失礼します。はじめまし……」
「な、何で?!」
私はお見合い相手が入ってきた瞬間、変なトーンの声を出してしまった。
相手も私をみて、固まっている。
「東雲?」
「み、みみみ、南山?どうして?」
どうしてここに南山がいるんだろうか、頭の中が混乱してる。
課長と50代男性は、涼しげな顔をしている。
「とにかく、座りなさい」
「は、はい」
南山は普段みせる自信家な態度はなく、戸惑ったまま、私の正面の席に座る。
「部長、これは一体…」
「お見合いだけど?」
50代男性はそれが?という表情でいて、質問した南山は眉間に皺を寄せている。
「課長、お見合い相手が南山だなんて聞いてません」
私も、課長に問いただす。
「君ら、両想いなんでしょ?」
「えっ?」
「えっ?」
課長の言葉に、私と南山の声が重なる。
「南山は私が何度も見合いを進めても断るし、合コンとやらも行かないと聞くし、何でだと思ってたんだか。
よーく観察してたら、相手が生活安全課の東雲君だと分かってね。
ぐずぐずしてたら、いかん!と思って、課長に見合いの場を頼んだんだよ」
そういえば、部長に頼まれたって課長に言われたけど、この男性は南山の上司なんだ。
(ちょっと待って、課長、両想いって言ってたよね)
私はまだ課長に、好きな人は南山だとは一度も言ってないのに。
「課長は、どうして両想いだと思ってるんですか?」
「見てて分かるよ」
「は?」
「東雲、お前は刑事に向いてないな。南山を見ている時の顔が、他の奴を見ている時と全然違う。
それに南山と話した後は、1人でにやけてるだろ」
「因み課長は生活安全課の前は私と同じ本庁で監察の仕事をしてたから、観察は得意なんだ」
部長と課長はにこやかに話をしてるけど、まさか気持ちがバレバレだったとは気づかなかった。
私は南山をちらっと見ると、南山は頭に手を置いて項垂れている。
しかも顔が真っ赤で、耳までも。
「な、何で?!」
私はお見合い相手が入ってきた瞬間、変なトーンの声を出してしまった。
相手も私をみて、固まっている。
「東雲?」
「み、みみみ、南山?どうして?」
どうしてここに南山がいるんだろうか、頭の中が混乱してる。
課長と50代男性は、涼しげな顔をしている。
「とにかく、座りなさい」
「は、はい」
南山は普段みせる自信家な態度はなく、戸惑ったまま、私の正面の席に座る。
「部長、これは一体…」
「お見合いだけど?」
50代男性はそれが?という表情でいて、質問した南山は眉間に皺を寄せている。
「課長、お見合い相手が南山だなんて聞いてません」
私も、課長に問いただす。
「君ら、両想いなんでしょ?」
「えっ?」
「えっ?」
課長の言葉に、私と南山の声が重なる。
「南山は私が何度も見合いを進めても断るし、合コンとやらも行かないと聞くし、何でだと思ってたんだか。
よーく観察してたら、相手が生活安全課の東雲君だと分かってね。
ぐずぐずしてたら、いかん!と思って、課長に見合いの場を頼んだんだよ」
そういえば、部長に頼まれたって課長に言われたけど、この男性は南山の上司なんだ。
(ちょっと待って、課長、両想いって言ってたよね)
私はまだ課長に、好きな人は南山だとは一度も言ってないのに。
「課長は、どうして両想いだと思ってるんですか?」
「見てて分かるよ」
「は?」
「東雲、お前は刑事に向いてないな。南山を見ている時の顔が、他の奴を見ている時と全然違う。
それに南山と話した後は、1人でにやけてるだろ」
「因み課長は生活安全課の前は私と同じ本庁で監察の仕事をしてたから、観察は得意なんだ」
部長と課長はにこやかに話をしてるけど、まさか気持ちがバレバレだったとは気づかなかった。
私は南山をちらっと見ると、南山は頭に手を置いて項垂れている。
しかも顔が真っ赤で、耳までも。